眼内レンズのシミュレーターが進化していましたのでご紹介します〈横浜市梅の木眼科クリニック〉 | 横浜市から眼科医による目の健康のためのお役立ち情報をブログで発信

少しづつ涼しくなっていくとともに陽が落ちるのも早くなってきましたね。日中はまだ半袖で過ごせる陽気なので寒暖差にご注意ください。

秋の花粉が飛んでいるせいか、最近目の痒みやまぶたの腫れで来院されることが多くなってきました。不調を感じましたらお早めに点眼等していただくことをお勧めします。

さて、今回のお話は”眼内レンズのシミュレーターが進化していた”です。

白内障手術の際の眼内レンズを入れた後の見え方は実際手術を受けた方でないと分からないのが正直なところです。そのため手術を受ける前にどんなレンズをどこに焦点を合わせるかで悩まれる方が多くいらっしゃいます。実際、手術の中で最も肝になる部分の一つであるので、術前検査の際に一番時間を割いてお話しする部分です。

以前のブログでも参天製薬さんの360度VRシミュレーションをご紹介しました（詳細はこちらよりお読みください）が、今回はジョンソン&ジョンソンさんのサイトになります。

ジョンソン＆ジョンソンというと綿棒だったりハンドクリームだったりといった医薬品の医薬品のイメージが強いと思いますが、AMOという眼科手術メーカーを取り込み、眼内レンズや眼科手術機器も取り揃えています。ですので眼科界隈でも認知度が世界的に高い会社になります。

単焦点眼内レンズはもちろん、多焦点眼内レンズやアイハンスという最近よく聞かれるやや焦点の幅が広いレンズを製作しています。

多焦点眼内レンズも三焦点眼内レンズとは構造が違う特徴的なものを作成しており、今後どのような進化をしていくのか楽しみです。

ここ最近、白内障手術の際に保険の範囲でも焦点にやや幅のあるレンズが出てきたことで、眼内レンズの選択のお話が難しくなってきています。もちろん術後の見え方で喜んでもらいたいので詳しくお伝えするのですが、あくまでイメージのお話になるため伝わり切っているのか心配になることがあり、色々なデバイスを使いながら説明しています。もっと良いものはないかと思っていたところ、久しぶりにみてみたら随分と進化していたのでご紹介です。

今までもこの様なサイトは各メーカーであったのですが、あくまでイラストでの比較でした。今回の１番の進化は動画になった！ということです。生活上、やはり目線や動くものを見るのは当たり前ですのでより日常に近いシミュレーターになった気がします。

上の写真は多焦点眼内レンズであるシンフォニーとアイハンスの比較です。

比べてしまうと大分手元の見え方が違う様に見えると思います。

しかし、こちらはアイハンスと単焦点眼内レンズの違いです。ややアイハンスの方が手元が見えていることがわかると思います。保険診療内でも少し手元が見やすいものが良いという場合には便利かもしれません。

今回は基本的に保険診療内のお話にしようと思っているため、多焦点眼内レンズのお話は割愛します。ご自身で確認したい方は最後にリンクをおつけしますのでそちらよりご確認ください。

運転を良くされる方の手術の際によくお伝えするのがナビの見え方です。遠方に焦点を合わせた際に、中間距離のナビやメーターが見えづらくなることがあります。

アイハンスのほうが少し見やすいのがわかりますでしょうか？また、夜間でも光の散乱が単焦点のものとあまり変わり無いのもお分かりいただけるかと思います。

手元よりのもののシミュレーションではレストランでのメニューがあります。

単焦点よりはボケるのが少ないですが、なんとか読めるかな？くらいでしょうか。細かい字はやはり眼鏡が必要かと思います。

しかし、中間距離になる食事の見え方はやはりアイハンスのほうがはっきり見える様です。食事もはっきり見えた方が美味しく感じるかと思います。

あくまでシミュレーターなので、万人が万人このようにすっきり見えるかというとそうではありませんが、なんとなくイメージを掴みやすいシミュレーターだなと思っています。しかし、目の中にご病気があったり、細かい物をはっきり見たい方だったりすると、単焦点の方が見えやすかったりすることもありますので全員アイハンスが良いとも思っていませんので、最終的には手術のお話の中でご納得いただいた眼内レンズを入れたいと思っています。

個人的なシミュレーターの希望としては、基本的に遠くに焦点を合わせたシミュレーターばかりなので、やや近方に焦点を合わせたりした場合のシミュレーターも欲しいと思っています。いずれアプリなどでAR機能で実際の生活での見え方の疑似体験ができたらなお嬉しいですね。

シミュレーターを個人でお試しいただきたい方は英語ですが、ジョンソン&ジョンソンさんのサイト（外部サイト）よりお試しください。

皆様が白内障の術後にご満足いただける眼内レンズを選べることを心より願っております。