朝のめやにはマイボーム腺が原因かもしれません。〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

query_builder 2022/10/17
一般眼科

最近朝晩が冷え込む時期になりました。ブタクサなど、秋の花粉も飛んでおり、少し調子を崩されている方も多い印象を受けています。

寒さが強くなると、寒冷刺激で涙っぽくなってしまう方も多くいらっしゃいます。早めの点眼などで症状が緩和する事もあるので、気になる方は受診をお勧めいたします。


さて、今回は朝に多くなる目ヤニのお話です。よく外来で”朝起きたら目ヤニがくっついている”や、”日中涙がベタベタしている感じがする”などのお声を聞く事があります。これらの症状の原因は、もちろんアレルギーや感染による結膜炎が原因となっていることもありますが、多くの方で起きているのが”マイボーム腺機能不全”です。


マイボーム腺は聞きなれない言葉かと思いますが、まつ毛の生え際のところから油を出す脂腺と言われる組織です。この油分が涙に混じることで油膜を張って、涙の蒸発を防いでくれる大事な機能を担っています。


この写真はまぶたを裏返したところですが、縦に白い線が何本も見えると思います。これがマイボーム腺です。


きれいな脂が出てくれている時は目の潤いを維持する大事な油なのですが、ひとたび出づらくなってくると油は固まってきて、まぶたの縁にベタベタした白い塊のような目ヤニがくっついてくるのです。また、油の質が悪くなってくると涙の蒸発も早くなり、しょぼしょぼしたり、涙っぽくなったりしてしまいます。


マイボーム腺機能不全は慢性的なものなので、なかなか治療が難しいもので、日頃のケアが大切と言われています。


・目の縁をマッサージして油の排泄を促進する。

・温めて油を溶かして出やすくする。


この二つが大切なので、日頃お顔を洗うときにマッサージが効果的です。洗い方についてはリッドハイジーン(外部サイト:LIME研究会というマイボーム腺の治療で有名な有田先生の動画をご参考にされるとよろしいかと思います。)という洗い方が推奨されています。


また、その他の治療がいくつか推奨されるようになっています。

一つはIPLというレーザーを用いて、まぶたを内側から温める方法です。IPLは皮膚のくすみなどを取る美容で使われるフォトフェイシャルのレーザーと同様のものですが、近年眼科でのドライアイ治療に使われるようになりました。