広角眼底カメラを比較してみます。〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

query_builder 2024/01/07
一般眼科
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新年早々災害が続き、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、早く日常生活に戻れるようお祈りいたします。これから寒くなるとのこと、横浜市からできることは限られておりますが、できる限りのことはしたいと思う今日この頃です。

昨年はコロナも落ち着いてきたこともあり、安心して手術を受けられる状況になってきた様に思います。いつ何があるかもわからないご時世ではありますので、不調に関しましては早めのご受診をお勧めいたします。


さて、今回は昨年からデモでお借りしている眼底カメラの比較をしたいと思います。ここ最近、広い範囲を一度に撮影できる広角眼底カメラが数機種発売されており、今までは何度も撮らないといけなかったものが一度で撮影できる便利なものになっています。ないからといって診察時に見れば良いのですが、以前との比較などは記録しておくとやはり便利ですので、今後必要になるものと考えています。


撮影した見え方や、撮影のしやすさ等各社様々ですので、自分の整理を兼ねて投稿させていただきます。(あくまで私見ですので参考程度にお思いください。)

NIDEK社 ミランテ

OCTと一体型の省スペースが魅力

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まず最初にお借りしたのはNIDEK社さんのミランテというものです。ミランテはOCTと一体型になっている広角眼底カメラです。撮影時にアタッチメントを装着して撮影するのですが、撮影のしやすさは通常の眼底カメラと大きな変わりはなく、撮影される側もそこまで圧迫感もない様に思いました。


眼底写真はフラッシュを焚くのでどれでもそれなりの眩しさがありますが、通常の眼底カメラと同じくらいかな?という程度でした。 写真は網膜剥離の写真ですが、剥離した部分は黒く撮影されていますが、通常の網膜は擬似カラーの割に見やすい色と思います。


OCTと一体型なので、スペースも1台分で済むというのが狭い検査室にとってはありがたいものです。 検査員の操作性は良好とのことで好印象でした。


デメリットは撮影前後の立ち上げ、解析に時間がかかることと、  OCTと一体型ゆえの検査の待ち時間の長さでしょうか。一台でOCTと眼底写真と撮影すると、検査待ち渋滞が起こってしまう可能性があるのが難点です。OCTに関しては当院で現在使用しているものと操作感は変わりませんでした。

オプトス社 Daytona Next

最広画角が魅力だが撮影に慣れが必要

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次にオプトス社のDaytona Nextです。

眼科の広角眼底カメラの中で知らない人はいないオプトスですが、なんといっても一度に200度まで撮影できるのはとても便利です。撮影が通常の眼底カメラと違う方法ですので検査員も最初は苦労していましたが、使っていれば慣れていくと思います。

撮影時の眩しさも、そこまで強くは感じませんでした。


しかし、綺麗に撮影するには撮られる側にも頑張っていただく必要があるのが難点かと思います。大きく目を開いていただかないと、右下の写真のようにまぶたが写り込んでしまうのですが、それでも見える範囲はかなり広く見えます。うまくできれば赤ちゃんまで撮れるという報告も見受けますが、なかなかそれは難しそうです・・。


以前のオプトスはかなりスペースをとってしまうイメージがありましたが、Daytona NEXTという機種はだいぶ省スペースに収まる様になりました。


個人的なデメリットは、やはり擬似カラーの色味が慣れないことです。どれも緑っぽく写ってしまうのと、小さな裂孔なのか、変性なのかはっきりしなく見えてしまいます。何かあることはわかるので、その部分をしっかり診察することを念頭に入れて写真を見る必要があると思いました。

また、撮影した写真の生データはとても綺麗なのですが、電子カルテにjpeg画像で保存した際に、中心部がどうしても暗く、見づらくなってしまいます。ビューワーソフトを診察室で弄りながらの診察が必須と考えました。



Zeiss社 Clarus

擬似カラーでない綺麗な眼底写真が魅力

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最後にZeiss社のClarusです。

前の2機種との大きな違いは通常の眼底カメラと同様の撮影方法なので、色味が自然なため、診察時と全く違和感がないことでしょう。右下の写真はオプトスの写真と同一症例ですが、jpeg画像での見やすさはこちらに軍配が上がる様に思います。


画角はほぼミランテと変わらない様に思います。撮影方法もモニターを見ながらの撮影になりますが、検査員は特に違和感もなく撮影できていた様です。


一番のネックは前の2機種と比べると眩しさがかなり強いことです。3機種とも瞳孔を広げず広角の写真が撮影できますが、一度撮影してから少し経たないと2枚目を撮影するのが難しい感じです。


眼底カメラの大きさもそこまで大きくもないのでスペース的にはOCTと別に置いても問題なさそうでした。




以上のようにどの機種も一長一短ある様に思いますが、OCTとともに当院に一番フィットする機種を検討していきたいと思います。これらの設備のアップデートが、患者様のより質の良い診療につながるように日々勉強していきたいと思う年末年始です。診療自体は1月5日より通常通り始まっております。本年もどうぞよろしくお願い致します。









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梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

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