白目の茶色いシミ（結膜母斑）の治療について〈横浜市　梅の木眼科クリニック〉 | 横浜市から眼科医による目の健康のためのお役立ち情報をブログで発信

鏡などで自分の目を見たときに、白目のところに茶色いシミがあるのが気になっていらっしゃる方は少なくないと思います。見た目的になんとなく目立ちますよね・・・。

白目にできる茶色いシミのことを結膜母斑といいます。これは白目の上の膜(結膜)にメラニン細胞が増殖する一種のホクロのようなものです。生まれつきある方もいれば、加齢と共に徐々に大きくなっていく場合もあります。

結膜母斑自体は良性腫瘍なので、そのまま放置していても問題ありません。しかし、まれに悪性化（癌化）する場合があります。これも肌のホクロと同様です。 結膜母斑を大きくしないためにどうしたらよいのか。それは肌同様、眼球も紫外線によるダメージを受けるので、サングラスや帽子で紫外線から目元を守ることで、色が濃くなったり大きくなったりする予防になります。

前述した通り、ホクロと同様のものなので、結膜母斑は放置していても視力低下や目の病気には繋がることは稀ですが、白目の上に茶色いシミなので意外と気になるものです。

シミ（メラニンの色素沈着）が自然に治ってくれれば良いのですが、そういう事は考えづらいです。 健康面に影響がなくとも外見的に白目のシミが気になるという方も多くいらっしゃいます。

外見的に改善したい場合は、レーザー治療で母斑を取ったり、結膜母斑自体を切除する治療があります。 レーザー治療は保険適応外になりますが、点眼麻酔をした後数分で終わる日帰り手術になります。 術後の制限もなく、点眼を1週間程度して頂きます。レーザー治療の術後の欠点は、大きさが大きかったり、色が濃いものの場合、全てを一度に取りきれない場合があります。この際は繰り返しレーザーをする必要があります。また、母斑細胞が残っていると、いずれ再発する可能性があります。

これに対し切除は、局所麻酔後に母斑細胞を切り取り、縫合します。手術時間は10分程度です。縫った糸は吸収糸なので抜糸は必要ありませんが、糸がついている時はごろごろしたり、充血が続きます。切除の良いところは、母斑細胞のみでなく正常な組織も一部切除するので、一回の手術である程度大きいものも完了すること、再発する可能性はレーザーより少ないこと。そして保険適応の手術となるので、レーザー治療より安くなることです。しかし、離れた場所に複数あった場合や、あまりにも大きすぎる場合は複数回の手術が必要となる場合もあります。 どちらの治療が良い、悪いというのは特にありませんので、状態に応じて治療法の相談をするのが良いと思います。

※治療にあたり、一つ注意点があります。結膜母斑と似たような白目の色調の変化に強膜母斑（メラノーシス）というものがあります。こちらは結膜の下にある強膜という組織に色素沈着を起こしている状態です。青黒いシミはこちらである可能性が高く、レーザーや切除治療は困難です。

今回は当院でレーザー治療をした方の許可をいただけましたので、治療の経過をお見せしたいと思います。上の写真は術前の写真です。黒目の横にあるので気になられていたとのことでした。点眼麻酔を行い、レーザーを行いました。レーザーというと痛そうな感じがしますが、ご本人に伺ったところ、”少しチクチクする程度”だったそうです。

レーザー自体は数分で終了します。

上の写真は術直後の写真です。レーザーによる炎症のため、充血しているのを認めました。術後は消炎の点眼をしていただく他は日常生活で特に制限なく過ごしていただき、術後一週間で再診していただきました。

術後１週間です。傷跡もなくレーザーをしたとは診察時にもわからないほど綺麗になっていました。ご本人様も満足してくださり嬉しい限りです。

上記の術後経過はあくまで一例ですので、全ての方が同様の経過を辿るとは限りません。ご了承ください。

梅の木眼科クリニックでは、片眼１箇所33,000円（税込）、両眼または複数箇所の場合55,000円（税込）でレーザー治療をしています。半年間の再発や、残存に対する追加照射は無料です。ご希望がございましたら問い合わせサイト、お電話等でご予約下さい。