夜盲というものの怖さをどうにかできないか①

query_builder 2022/02/08
一般眼科

皆様、普段生活していて急に暗いところに入った時に一時見辛い時はありませんか?しばらくするとぼんやり見えてきますが、それまで手探りで探さないと怖い時があります。

このしばらくすると少し見えてくることを暗順応と言います。これがあるおかげで暗闇の中でもぶつからずに生活できています。

 この暗順応が遅い方、もしくは全くできなくなるご病気がいくつかあります。先天的に異常がある場合が多く、進行性のものもございます。その中で難病にも指定されているのが網膜色素変性症と言われるものです。詳しい説明はご高名な先生がたくさん書かれているので省きますが、症状としては眩しさ(羞明)、夜盲、周辺の視野欠損が主になります。初期のうちは日常生活に影響は少ないのですが、進行してくると中心10度(ストローの中を覗くくらい)しか見えなくなってしまいます。

 治療法は現在確立されておらず、実生活で不自由さを感じられている患者様のお話をよく伺います。なにぶん外見では病気があるように見えないので、周囲の方のご理解を得づらいですし、真っ暗闇の中を歩いていたらぶつけたり、転んだりするのはごもっともだなと思っていました。


眩しさに関しては遮光眼鏡という眩しさを感じやすい光の波長を低減させるメガネがあり、そちらに関しては色素変性症や、視力障害者の方は市の方から交付を受けることができ、おすすめするようにしています。実際作成された方は見やすくなったと喜ばれることが多いです。,

また視野障害もご自身で見たいところに顔を振ってなるべく見えるところで見るようにということをお伝えしています。


 しかしながら、こと夜盲に関してはなかなかアドバイスが難しく、ライトを持って足元を照らすくらいしかありませんでした。ここ最近HOYAさんが開発されたMW10HIKARIが発展してVixion(ヴィクシオン)という暗所支援ゴーグルが一部地域で給付を受けられるようになってきておりますが、横浜市では残念ながらまだ認定されていません。自己負担で購入するとなるとかなりの負担になってしまいます。横浜市内でお試ししたい方がいらっしゃったらメガネの光学堂さんにあったはずですので詳細を問い合わせてみるとよいかもしれません。


患者様との話でもよくお伝えはするのですが、やはり価格と外観で気にされる方が多く、手軽な何かお役立ちグッズ的なものはないかなと常日頃から探していました。そしてこれはと思ったのがSIONYX オーロラという暗視スコープです。

超低照度センサーを内蔵していることにより、微弱な光を増幅して見せてくれるようです。


 きっかけはふるさと納税のサイトを見ていた時に見つけたというのがお恥ずかしい限りですが、HPに載っている動画を見ると、夜間の船の操縦の際に映るモニターの鮮明さ、直接ファインダーを覗かなくてもスマホ、タブレットに画像をライブで送ることができる事、大きさも懐中電灯ほどの携帯性。どれをとっても夜盲でお困りの患者様に使ってみていただきたいという条件が揃っていていささか興奮気味に取り扱っている阪神交易者様にデモ依頼をお願いしました。実際の使用目的と違うにもかかわらず、快くお貸しいただきましたことを感謝いたします。


実際届いて一週間使用してみました。

長くなりそうなので次の記事で詳細を書きたいと思います。




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梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

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