視力低下を改善することが認知症予防につながります

query_builder 2022/05/11
白内障緑内障
d86e300f8ee5f695a28fd78e883a9208

先日のブログで、認知症の方に白内障手術をしたら少し認知機能が良くなるようなことを簡単に触れていました。この際に認知症の予防にはどのようなことが重要なのだろうかということで少し調べていたところ、2020年に世界をリードする認知症の専門家からなるランセット委員会が、体系的な文献レビュー、メタ分析、および個々の研究を含む、この分野で最も優れたあらゆるエビデンスについて行った調査によって、認知症の40%は予防できるのではないかという結果を発表しました(原文はこちら英文です。)


後転的な認知症の進行の原因として12の危険因子を示しました。


この中で最も高い認知症の危険因子は難聴で、8%でした。その他の因子も含めると全てで40%、これは大きな数字になると思います。もちろん防ぎきれないものもありますが、日々の健康に留意し、運動や生活習慣を見直すことで、健康的な社会生活を壮年から老年期にかけても遅れるのであれば、今からでも皆で取り組んでいくことを強くお勧めしたい次第です。


さて、表題の件ですが、ランセットの発表には視力障害は取り沙汰されておりませんでしたが、米国Health and Retirement Studyのデータを用いた横断研究で、修正可能な認知症危険因子の既存モデルに視覚障害を含めることによる効果を推定。50歳以上の成人の確率抽出標本16690例を対象に、視覚障害およびその他の認知症危険因子(Lancet Commissionのライフコースモデルに含まれる11項目)の認知症に対する人口寄与割合)を算出したところ、視覚障害も1.8%認知症に関与していることがわかりました。1.8%というと少ないようにも見えますが、アメリカ国内だけでも10万人の認知症に視覚障害か関与していたと聞くと聞き過ごすわけにもいかないなと思いました。


視力低下の原因は白内障をはじめ、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などありますが、どの病気にしても、手術をして治るものや、初期のうちからの治療により視力の低下を防ぐことができることもあります。しかし、残念ながら進行してしまうと手のうちようが無くなってしまうことも少なからず認められます。


日頃から、片目づつ見え方のチェックをすることや、定期的に検査をしておくことは目の健康だけでなく、認知症の予防にもつながると思って気になる際には早めの受診をお勧めいたします。




----------------------------------------------------------------------

梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG