ドライアイ点眼の良し悪し〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

query_builder 2022/11/23
一般眼科
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最近寒さが増してきており、暖房を使いたくなる季節になってまいりました。この頃になると、冷たい風の刺激で涙が多くなったり、乾燥により目がしょぼしょぼするようになったりといった目の不調をきたすことが増えてきます。


涙は目の表面を綺麗に覆うことにより、見え方の質を高めてくれる大切な液体です。ですので、ドライアイになるとかすんだ感じがしたり、しょぼしょぼしたり、眩しく感じたりすることがあります。また、ひどくなってくると目に傷が出来てしまい、目を開けていられなくなったりします。


ドライアイが出てきた際にはやはり点眼が必要になりますが、いくつかの種類がありますのでそちらについて説明していきたいと思います。

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ドライアイには大きく分けて二つの種類があります。それは、分泌される涙が少なくなってしまう場合と、涙は出るけどすぐに蒸発してしまう場合です。


まず涙が少なくなっている場合の話ですが、感動して涙が出たりするのとはまた別なのですが、普段何でもない時でも基礎分泌というものがあり、瞬きすることによって涙が入れ替わっています。基礎分泌が少なくなっている場合には、人工涙液や、ヒアルロン酸点眼で補ってあげる必要があります。薬局等で売っているドライアイの点眼はこの部類に入ります。ヒアルロン酸点眼などは乾いたら適宜点眼することで症状を抑える効果があります。また、基礎分泌量が低いことによって傷が多くつく場合には涙点プラグという鼻に涙が抜けるのを堰き止めることによって目の涙液量を増やしてあげるような治療をすることがあります。


これに対し涙がすぐに蒸発してしまう場合です。ドライアイのタイプとしてはこちらの方が頻度は多いです。

蒸発するのは、角膜と涙の親和性がよくない場合と、涙自体の質が悪い場合があります。


角膜と涙がしっかり結びつかない場合、レバミピド(ムコスタ®️)という点眼を使用します。ムコスタというと胃薬のイメージが強いのですが、組織と涙液の結びつきを強くしてくれることにより粘膜保護を行う役割を担います。


次に涙の質が悪い場合ですが、涙には蒸発を防ぐためにムチンという物質が入っています。このムチンが減ってきた場合にはムチンを分泌させる作用があるジクアスルホン散ナトリウム(ジクアス®️)という点眼が向いています。


大きく分類すると、ドライアイ治療の点眼の使い分けは上記の様なものを組み合わせて行います。点眼もお薬なので、副作用や使いづらいこともありますので説明したいと思います。


まず、人工涙液やヒアルロン酸点眼ですが、こちらはあくまで涙を補充するためのものですので、乾いたと思ったら点眼する必要があります。点眼には防腐剤が入っていることもあるので頻回に点眼するとアレルギーを起こしたりすることがあります。アレルギーを起こす場合には防腐剤無添加のヒアルロン酸点眼を使用する場合があります。


次にレバミピド(ムコスタ®️)点眼ですが、点眼液が白濁しているため、点眼した時に一時的に白く霞がかかったように見えます。あくまで一時的で拭き取れば良くなります。また、点眼した後に喉の奥に苦みを感じる場合があります。また、防腐剤無添加であるため、一回一回使い切りの点眼になります。なので、持ち運びなどが面倒に感じる場合があるかもしれません。


最後にジクアスルホン酸ナトリウム(ジクアス®️)点眼ですが、ムチンという物質の分泌をよくする点眼なのですが、多く分泌するとムチンボールと言われる透明な粘液様の物質が目ヤニのように出てくる場合があります。ムチンは害ではないので多く出てきた場合には拭き取れば問題ありません。また、点眼後に少し痒みが出る場合があります。また、点眼回数は一日6回が推奨されているため、頻回の点眼が大変な場合があります。もちろん、症状に応じて点眼回数を減らして点眼していただく場合もあります。









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ここ最近になり、ジクアス点眼の頻回点眼が困難な方に向けてジクアスLX®️点眼という1日3回の点眼が発売されました。ジクアス点眼のムチン分泌作用はそのままに、滞留性を良くした点眼です。

これにより、点眼回数を減らすことができるため点眼回数の煩わしさが改善されると考えられます。乾燥感が強いけれど、日中に点眼はそんなにしていられないという方には良い選択肢となるかもしれんませんので、ご興味のおありの方はご相談ください。

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梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

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