高濃度アイリーア(8mg)が発売されるにあたって〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

query_builder 2024/03/03
一般眼科
スクリーンショット 2024-03-03 16.29.07

加齢黄斑変性の治療は抗VEGF抗体の注射がスタンダードとなっています。特に一般的によく使用されている薬剤であるアイリーアという注射薬があります。

最初に日本で認可を受けた注射薬はルセンティスというもので、こちらはラニビズマブという、バイオシミラー(後発品に近いもの)が発売されています。

ラニビズマブは、価格も比較的安価で、安全性も高い薬剤なのですが、他の抗VEGF抗体と比較すると、新生血管の抑制が弱いイメージが強く、当院ではアイリーアを選択していることが多くあります。


最近になり、バビースモやベオビュといったの注射薬も出てきており、アイリーアよりも効果が強く認められることもしばしばあるため、アイリーアを注射していてもすぐに再発されてしまうような方には、薬剤の変更を相談することもまま出てくるようになりました。


注射薬の変更で良い効果を得られることがある一方、薬剤による副作用で炎症を強く起こす場合が時々あり、せっかく効果が良くても使用できない方が見受けられるようになり、仕方なくアイリーアを定期的に注射している方が時々いらっしゃいました。


注射は外来で済む処置ではありますが、感染のリスクや、注射をするというストレス、医療費の負担、通院頻度など、患者様に様々な負担を強いてしまいます。ですので、できる限り少ない頻度で、安全に最大限の効果をあげられるというのが我々の望む薬剤です。


そんな中、高濃度のアイリーアが発売されるということで期待をしています。現状の4倍の濃度の注射薬に濃縮したとのことで、通常の2ヶ月ごとの注射と同程度の効果を4ヶ月ごとでもできる可能性が高い注射との説明を伺いました。これがマユツバでなければ、アイリーアを定期的に注射している患者様にとって嬉しいこと間違い無しと思っています。


しかし、懸念がないわけではありません。薬価は間違いなく以前のものよりも高くなると思うので、一回にかかる自己負担額が上がると思います。(回数が減ることでトータルの負担が減ることを期待したいです。)

また、投与量が0.05mlから0.07mlに増えることで眼圧の上昇が起きないかや、現状のアイリーアと混在することで、実際使用する時に取り違えが起きないかなど不安があります。当院では、患者様に望ましいと考える薬剤を提供できたらと思い、極力取り揃えるようにはしておりますが、取捨選択が今後必要になってくるのだろうと思います。


まだ発売前で実臨床での使用感がわかりませんが、良い治療法の一助となってくれることを期待しています。

現在行われている日本手術学会のオンデマンド配信が、Aiスペースというバーチャル空間を用いて行われていて、手術のアップデートをしています。他の先生ともチャットで繋がれるような試みなのですが、なんとなく気恥ずかしく、普通に視聴するだけとなってしまっています。

今後こんな学会がライブでも増えていったら遠方や海外の学会も身近になると期待する週末です。




----------------------------------------------------------------------

梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG