夜盲というものの怖さ②(サイオニクスレビュー)

query_builder 2022/02/08
一般眼科
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前回夜盲の人の役に立ちそうなものを見つけましたというお話を書かせていただきました。

今回は実機をいじってみたので、サイズ感やどのくらい見えるのかをお伝えできればと思います。


まず実際の大きさですが

手のひらにすっぽり収まるサイズです。300gに満たないので、小さな懐中電灯を持っているような感じです。ついているダイアルにはカメラモード、動画撮影、wifi接続(スマホに連動)に変更できるようです。

背面には昼間モード、夕暮れモード、真夜中モードのように明るさでの切り替えスイッチがついています。ピントはオートフォーカスではなく、レンズのところを回して合わせますが、無限遠にしておけばほぼ困らず見えました。


暗闇というのはどこまで見えるかなと思い、試してみます。

眼科で暗闇といえば、緑内障などの検査でお馴染みの視野検査室がありますのでそちらでまずはお試しです。

検査を受けられたことのある方はご存知かと思いますが、ほんとに真っ暗な部屋になります。

明るくして撮影すると

このような部屋です。

暗室の状態で普通に撮影すると

真っ暗です(肉眼でも見えないので当たり前です。) 

流石に大して映らないだろうと思いながらも撮影してみると

ここまで映りました!驚きです。

スマホをファインダーのように使えます。

縦画面だとこんな感じに見えます。少しモニターが小さいので横画面にして全画面表示にした方が使いやすそうでした。

ファインダーは見えますが、画質はあまりよくなかったです。


たまたま来院された夜盲の患者様にもご協力をいただき、暗室でみてみていただきましたが、昼間のように見える!と驚いていました。

デモでお借りしていたものなので、夜間の外での使用を試していただくことができなかったのが残念ですが、可能性を感じさせてくれる感想をいただけました!


夜間で外に持ち歩いてみましたが、左手でカメラ、右手でスマホを持つ形になって、みたい方向にカメラを向けるような使い方が使いやすそうです。街灯が少ないところでもくっきり見えて歩行に困ることはありませんでした。

看板につく照明と奥の電灯だけでもここまでスッキリ見えます。



このカメラのポテンシャルはかなりすごいものということがよくわかりました。健常人が実生活で使用するとしたら夜間のアクティビティー(夜釣りとか、キャンプとか、登山とか?)もしくは懐中電灯がわりに非常用として持っておくかかな?と思いますが、夜盲の患者様が使用するとなると幾つか懸念点があるように感じました。


・スマホとカメラを持つと両手が塞がってしまう。

網膜色素変性症の方は視野が悪く、普段より手が塞がるのが怖い状態なので、両手が塞がってしまうと夜間は特に怖く感じるかもしれません。しかしながらカバンやコートに忍ばせて、困った時だけ使う分には便利かもしれません。また、三脚をつけるネジ穴があるので、何かしらのアタッチメントを使用して体やカバンにカメラをつけるなどの工夫ができるかもしれません。


・思ったよりも画角が狭い

印象として、もっと広角で見えるのかと思っていたのですが、大分拡大されている印象を受けました。レンズにネジ切りもないのでウィドコンバーターも普通ではつけられなさそうです。できたら弱角にすることができたら視野障害のある方でもみやすいのかな?と思います。


・スマホとのwifiでの接続なので時々カクつく

これも致し方ないことなのですが、大きく早く振ると画像が止まってしまうことがありました。緊急時にこうなると怖いなと思いましたが、アプリのアップデートなどで改善するでしょうか・・・


細かいところで気になることはありますが、使い方によっては夜間に見えなくて困っている患者様の一助になるのではないかと思いました。

そのような患者様にお試しいただければもっといろいろなご意見が出てくると思いますので、今後また有用な使い道が出てきたら書きたいと思います。









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梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

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