視覚障害の方の心強い味方(盲導犬について)
横浜市も梅雨入りをしました。蒸し暑かったり、雨で涼しかったり、体調を崩しやすい時期ですね。熱中症も増えている様ですので、皆様水分をとるように心がけてください。
この季節はイネ科の花粉や、空調をカビなどのハウスダストによるアレルギー性結膜炎が思いのほか多い時期ですので、痒みを感じる様なことがありましたら、早めの受診をお勧めします。
さて、今日のお話は盲導犬についてです。先日当院に盲導犬と一緒に来院してくださった患者様がいました。お恥ずかしながら、長年眼科診療に携わってきましたが、なかなか盲導犬のことを学ぶ機会がなかったので、これを機に勉強がてら皆様にもお伝えできたらなと思います。
写真の盲導犬は当院に来院してくださった盲導犬です。患者様及び盲導犬協会のご厚意で写真を撮らせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。名前等は個人情報にもつながるので掲載できませんが、お仕事中にご主人のことを一声も発さず院内でおとなしく待ってくださっていました。昔と違うのは、ハーネスにつながるバーが一本になったことで、利用者さんの取り回しが良くなったそうです。
盲導犬は視覚障害を有する患者様の手助けをするということは皆様ご存知だと思いますが、日本における盲導犬ユーザーは1000人程度とのことです。視覚障害者は38万人程度いるとのことなので、その少なさは際立ちますね。海外ではもっと多いそうですが、住環境や受け入れの難しさが関与しているそうです。ちなみに、イギリスでは1万人程度のユーザーがいるとのことです。
実際、盲導犬のお仕事のイメージは、利用者の方を行きたい場所に連れてってくれるような印象を持ちそうですが、実は違います。できることは以下の様なことです。
・道の端を歩く
・道にある自転車やすれ違う人などの障害物をよける
・十字路など、道の角で停まる
・階段など段差の手前で止まる
・人の指示した方向に進む
すなわち、ユーザーの方が目的地までの地図を頭の中で描きながら、盲導犬に指示を出して目的地まで協力してたどり着いているのです。
ですので、盲導犬の注意を散漫にさせてしまったりすることは道標をなくしてしまうことになるので良くないです。
盲導犬がお仕事中(ハーネスをつけている時)控えてほしいこと
1.盲導犬に触る、声をかける、目を合わせる他、口笛を鳴らす
などの気を引く行為は控える。
声をかけられたら、声の方へ行こうとすることもあり、ユー
ザーが方角がわからなくなると危険です。
2.ハーネスに触らない。
3.食べ物を見せたり、あげたりしない。
4.自分のペットと挨拶させようと盲導犬に近づけたりしない。
盲導犬が喜ぶ、脅える、興奮するなどして仕事に集中できな
くなることがあります。
5.無断で盲導犬を撮影しない。
写真や動画を撮影したいときは、ユーザーに許可を求めてく
ださい
言われて冷静になればそりゃそうかと思うことばかりですね。
では、盲導犬を利用している方が困る場面はどの様な場所でしょうか?それは以下の様な場面です。
・ 音響信号のない交差点
・ 幅の広い道路を渡る時
・ 駅のコンコースなど広いところ
・ 混雑しているところ
・駅のプラットホームの上
・ 人が並んでいるバスの停留所
この様な場所ではお手伝いできることがないか声かけして欲しいです。視覚障害の方は、急に触れられたりすることがとても怖いので、必ず声をかけてから行動に移してください。
緊急時は”盲導犬の人、危ない!”や”止まって!”と大きな声で自分だとわかるように呼びかけることが大切です。これは白杖(はくじょう)を持っている方も同様です。
盲導犬の現役でいられる時間は8年です。また、一頭の盲導犬を育てるのに500万円かかるそうです。8年ということは、一人の利用者が生活する上で4頭は必要となります。
この金額は、利用者が負担するのではなく、盲導犬協会が賄っています。育成費の90%は募金や寄付だそうです。盲導犬という言葉は皆知っているのに、とても意外な事実でした。
公的助成が少ない問題も大いにあると思いますが、盲導犬がもっと身近なものに感じられるような環境づくりは私たちでも手伝えることは多くあります。
健常者も、障害を持つ方も住みやすい未来ができていくことを切に願っております。
盲導犬についてもっと詳しく知りたい方は盲導犬協会のサイトをご覧ください。
東日本盲導犬協会(リンクはこちら)
梅の木眼科クリニック
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F
電話番号:045-371-2666
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