薬局でよく”緑内障はありませんか?”と聞かれませんか?〜横浜市の眼科 梅の木眼科クリニック〜

query_builder 2022/03/06
緑内障
スクリーンショット 2022-03-06 18.18.01

先週から急に暖かくなり、風も強い日が多かったため、花粉症が辛くなった患者様が増えてきた感じがします。コロナ感染と花粉症の症状が似ていると言われますが、この時期に急激な目の痒み、充血は花粉症であることが多いと思います。なかなか擦ったり、鼻をかんだりするのが難しい今日この頃、我慢せずお薬に頼ることで楽になることもありますので、お困りの方は早めにご来院をお勧めいたします。


因みに1994年の今日は新横浜ラーメン博物館の開館した日だそうです。地元であった私は、できた当初すごい人気だった中行って並びながらもお腹いっぱいになるまで目新しいラーメンを食べたことを懐かしく思います。(その頃にラーメン博物館のそばに夜中に不定期に出ていた屋台の博多ラーメン屋さんもとても美味しくて通っていましたが、今でもあるのでしょうか・・・)


話が脱線してしまい申し訳ございません。


 さて本題に入りたいと思います。眼科で外来をしていると、時に薬局から”この患者様には緑内障はありますか?”という問い合わせが来ることがあります。きっと薬局で聞かれたことがある方も多くいらっしゃると思います。緑内障で治療されている方も少なからずいらっしゃると思うので、”私はお薬が飲めないのかな?”と聞かれて心配になっていらっしゃる方の相談をよく受けることがあります。また、他科の先生からお薬が飲めるか聞いてきて下さいと言われて来院される患者様もいらっしゃります。


 確かに、緑内障のタイプによっては使用したことによって眼圧が急激に上がってしまうことがあったりします。

しかしながら、緑内障の方全員が使えないわけではありません。


 眼圧とは目の中に流れる房水の産生と排出のバランスで決まっていきます。イメージの動画がKOWAさんのHPにありますのでご興味のある方はご覧になってみて下さい。


 通常の目では隅角と言われる部分(房水が眼外に出ていく部分)が広い(下図右)のですが、閉塞隅角と呼ばれる状態の方はその部分が構造上(体質的に)狭くなっています。(下図左)

 狭い状態ということは房水が眼の外に出ていきづらくなっている状態ということです。閉塞隅角の状態だけであればそこまで問題ありません。なぜなら目の外に出ていく排水口は正常なので眼圧はそれだけでは高くならず正常値(10〜21mmHg)であることが多いからです。また、多少の眼圧の上昇であれば日頃の点眼で抑えることができます。



 ところが、この閉塞隅角の状態が急激に眼圧を上げてしまう状態になることがあります。それは散瞳(瞳孔が広がる)してしまった時です。


 眼科を受診されたことがある方の中で、散瞳薬を使用して眼底検査をしたことがある患者様も多くいらっしゃると思います。

瞳孔は目に入る光の量を調節したり、ピントを調節するために筋肉が収縮したり、弛緩したりすることで大きくなったり小さくなったりします。この瞳孔が広がった状態を散瞳している状態と言います。


 散瞳している時、虹彩(茶目の部分)がぶ厚くなってしまい、隅角をより狭くまたは完全に閉鎖してしまうことがあります。こうなってしまうと房水の排出する場所がなくなってしまい、眼圧が通常の2倍や3倍になってしまうことがあります。これを急性緑内障発作と言います。眼圧が長い間上昇していると、視野欠損の進行や視力低下につながってしまいますので早めの処置が必要になります。


 急性緑内障発作になると、見づらさ、目の奥の痛み、頭痛、吐き気が止まらなくなり、救急車を呼ぶようなこともしばしば見受けられます。急性緑内障発作の多くは白内障が進んだ高齢者に多く、特に夜間に緑内障発作は起きることが多く、注意が必要です。瞳孔が広がるのは夜暗くなった時によくなるのです。なぜなら暗いところでは、光をより取り込もうとして瞳が広がるためです。


 同様に瞳が広がるもので注意しなければならないのが内服薬です。

内服薬の中には瞳孔の動きに関与する成分を含むものがあります。ですので閉塞隅角と診断された方が内服すると、緑内障発作を起こしてしまう薬もあるため、薬剤師さんがチェックをしてくださっているのです。ですので、薬局で問い合わせに時間がかかった時も患者様の安全を確認するためなんだなと思って、おおらかな気持ちでお待ちいただければ幸いです。

 同様に、市販の総合感冒薬も同様のリスクがあることがありますので注意が必要です。


 閉塞隅角の方は生来視力が良いことが多く、若いうちに眼科とは縁のない生活をされている方が大半です。ですので薬局で聞かれたりして、自分の隅角が閉塞しているのかいないのか心配になった時には一度は眼科で確認しておくことをお勧めいたします。


 このような医療機関と薬局とのやりとりをスムーズにするために、日本眼科医会や一部の薬局さんでは、閉塞隅角緑内障の患者様に、内服薬に注意が必要な際に薬局で見せればわかるようなカード(最初の写真のようなものです。)を作っており、横浜市の眼科、薬局の方と協力して患者様に不要な発作を起こさせないようにと日頃から努力しています。


もし、閉塞隅角で、どうしても内服しないといけない場合には、白内障手術やレーザー治療を早期にすることで安全に服用できるようになることが大半ですので、お困りの際はぜひご相談にいらして下さい。(詳しい治療法につきましては後日改めてお書きする機会があればお書きしたいと思います。)


急性緑内障発作は眼科の中で比較的多い救急疾患の一つですので是非気をつけて下さいね。





----------------------------------------------------------------------

梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG