近視の治療は何歳から始めるのが良いのか〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

query_builder 2023/04/07
近視小児眼科一般眼科
Myopia Calculator | BHVI

当院ではオルソケラトロジーや低濃度アトロピン点眼といった近視抑制治療を導入しています。治療をご希望される患者様や、お子様の近視について相談に来られる患者様が増えてきました。その中で、いつから近視の治療や眼鏡を開始するのが良いのかというご相談をよくいただきます。

お子様の視力の検査でいらっしゃるタイミングは4歳児健診時、就学前検診時、そして学童機の学校での視力検査で指摘されたというようにお子様の視力低下に気づきやすいように適宜検査があります。この理由ははお子様の視力は一年一年変わりやすいことが挙げられます。


近視の矯正の基本は眼鏡装用です。メガネをかけるタイミングは見づらさの不自由さが強くなったらとよく外来でお話ししています。そうはいっても、自分の目ではない見え方、ましてや今までその見え方で生活していて何不自由なく過ごしていた子供にとってはなかなか自分から見づらいということはありません。そこである程度の他覚的な指標は必要です。


学童機の見えづらさで不自由になる視力は、人によってまちまちですが、裸眼視力0.5を切ってくると、目を細めたり、テレビに近づくようになったりという第三者からも気になるような素振りをしだすことが多いので、そのくらいで初めてのメガネをお勧めするようにしています。


一般的な近視の進行で、視力が0.5程度になる時期は8歳前後が多いのですが、この時期は近視が最も進行しやすい時期です。ですので、眼鏡を作っても半年から1年ですぐに合わなくなってしまうことも多々あります。(眼鏡装用により、近視が進行するという説もありますが、詳細を書くと長くなるので後日書きたいと思います。)


メガネは不自由になったら装用すれば良いのですが、近視抑制治療となるとそこまで待っていられません。なぜなら近視抑制治療は眼軸(眼の長さ)をいかに伸ばさないかにかかっているからです。

8歳前後になると、成長期に突入することから背も大きくなり始めます。同様に眼軸も成長する速度が上がるようで、小学校高学年に近視が強くなってくる子が大半です。ですので、その前には治療を始めることをお勧めしています。







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上のグラフを見ていただくとわかるように、低年齢のうちから近視が出てきた場合、予測される近視の進行は後から出てきた近視の進行より早いと言われています。

ある報告では、12歳以降に出てきた近視は16歳前後で−3〜−4D、8歳前後で出てきた場合は−5〜ー6Dなのに対し、未就学児の場合は−6から−9Dになると言われる上、近視の進行も成人になっても進むことが多いです。一年近視を遅らすことができれば−0.75Dの近視を軽減させることができると考えれれています。

このようなことから、シンガポールでは10歳までの近視進行抑制が重要としているとのことです。このようなことから低年齢で発症した近視は積極的に治療を開始することを推奨しています。


上記のようなさまざまな知見より、未就学児の軽度近視の出現や、一年毎の近視の進行が−0.5D以上進行する場合には何かしらの近視抑制治療の介入をしておくことで、近視をなくすとはいかないまでも、強度の近視で眼鏡がないと何もできないという生活を送らないで済む可能性を残してあげることができると思います。

治療法につきましては年齢や生活により画一的なものを勧められるわけではありませんが、お子様の近視についてご心配なことがありましたら一度ご相談にいらしていただくことをお勧めいたします。





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梅の木眼科クリニック

住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F

電話番号:045-371-2666

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